適切な段ボールで製品を保護!輸送リスクを回避

 

製品を安全に輸送し、保管するためには、適切な段ボールの選択が非常に重要です。段ボールの種類や材質は多岐にわたり、それぞれが異なる強度、クッション性、耐久性を提供します。

しかし、ご利用される側でそのような知識がない場合、選択を価格だけで行ってしまいがちです。その場合、製品に適切な保護を提供できないリスクがあります。例えば、同じABフルートでの見積もりでも、よく見ると強度に重要な坪量が150gの場合と250gの場合があります。その場合、安価なオプションを選ぶと、製品に不十分な保護を提供する可能性があります。

段ボールを選ぶ際に注意することは、まずはフルートの選択、そしてライナーや中芯の坪量が大切です。それに加えて、ライナーや中芯の品質(テストライナーかクラフトライナー等の種類や、生産工場の能力)の3つのファクターが重要になります。

1.フルートの選択

1層段ボール(3Layer)

日本では、1層と言われたり、ベトナムでは3 Layersと呼ばれたりします。裏表のライナーと呼ばれる紙と、波々になっている真ん中の紙を入れると3層だからです。稀にですが、この辺が間違いの原因になることもありますので、ご注意ください。3層段ボールを使いたいのに、見積もりが実は1層段ボールになっていることも文化の違いであり得ないことはありません。

Aフルート:

厚さ: 約4.7 mm(最も厚いフルートの一つです)。
大きな波形により、優れたクッション性と厚みがあり、重い物品の梱包や、衝撃吸収が必要な場合に適しています。

Bフルート:

厚さ: 約2.5 mm。
波形が細かいため、Aフルートよりは薄く、それでいて十分な強度を持ちます。
良好な印刷性能と外観を持ち、小売り商品の梱包に広く用いられます。

Cフルート:

厚さ: 約3.8 mm。
AフルートとBフルートの中間的な特性を持ち、多目的に使用できる厚さです。
汎用性が高く、様々な製品の梱包に適しています。

Eフルート:

厚さ: 約1.5 mm(最も薄いフルートの一つです)。
細かく薄い波形により、軽量で高い印刷品質を実現します。
電子機器やガラス製品などの繊細な商品や、高級品の梱包に適しています。
これらのフルートの厚さは、梱包する製品の大きさ、重量、脆弱性、および輸送時の要求条件に応じて選択されるべきです。適切なフルートを選ぶことで、製品の保護が最大化され、輸送中の損傷リスクを減らすことができます。また、顧客にこれらの情報を提供し、彼らのニーズに合わせた梱包材を提案することは、信頼と満足度を高める上で重要です。

2層段ボール(5Layers)

2重になって強度が増した段ボールです。裏表のライナーと、2枚の波の形になった中芯、それらに挟まれる中間ライナーの合計5枚です。

ABフルート:

AフルートとBフルートの組み合わせ。
Aフルートのクッション性とBフルートの高い印刷適性を兼ね備えています。
厚く、強度が高いため、重い製品や貴重品の梱包に適しています。

BCフルート:

BフルートとCフルートを組み合わせたもの。
Cフルートの強度とBフルートの印刷適性のバランスが良いです。
様々な製品の梱包に使われ、特に耐久性と外観が要求される場合に適しています。
BEフルート:

BフルートとEフルートの組み合わせ。
Eフルートの細かな波形による高い印刷品質と、Bフルートの強度を併せ持ちます。
薄くて軽いが、十分な保護機能を提供するため、電子製品などの梱包に適しています。

AAフルート:

Aフルートを2層重ねた構造。
非常に厚く、極めて高いクッション性と強度があります。
大きくて重い製品、または輸送時の衝撃から強く保護する必要がある商品に使用されます。

 

3層段ボール(7Layers)

BCAフルート:

Bフルート、Cフルート、Aフルートの三層構造。
非常に厚く、高い保護性能を持っています。
重量物や産業用品、または輸送中の損傷リスクが高い商品の梱包に最適です。

 

BCEフルート:

Bフルート、Cフルート、Eフルートの三層構造。
BCEフルートは、異なるサイズの波形の組み合わせにより、優れたクッション性と堅牢性を提供します。
軽量でありながら強度が必要な製品、または繊細な商品の梱包に適しています。

AAAフルート:

Aフルートを3層重ねた最も厚い構造。
最高レベルのクッション性と耐久性を提供します。
特別な重量物や高価値の製品、極端な輸送条件下での梱包に適しています。
これらのフルートの組み合わせは、特定の用途に最適化された梱包材を提供します。お客様の製品に最適な段ボールを選ぶことで、製品の安全な輸送と、適切なプレゼンテーションを確保することができます。また、これらの詳細な情報をお客様に提供することで、信頼性とプロフェッショナリズムを示し、お客様のニーズに合った最適な梱包ソリューションを提供できます。

2.原紙の厚さと品質

原紙の選択は段ボールの品質と機能に大きく影響します。特に坪量(g/m²)、製紙会社による品質の違い、そして原紙の種類(テストライナー、クラフトライナー、クラフトトップテストライナー)は、段ボールの強度と耐久性に直接関わっています。

坪量は原紙の重量を表し、通常g/m²で表されます。例えば、150g/m²と250g/m²では、原紙の厚みと強度が異なります。
250g/m²の方が150g/m²よりも厚く、強度が高いため、重い物品の梱包や、より高い耐久性が求められる用途に適しています。
製紙会社による品質の違い:

 

3.原紙の材料の種類や製紙会社による品質の違い

同じ坪量でも、製紙会社によって原紙の品質は異なる場合があります。
製紙プロセス、使用される原料、加工技術などにより、強度、耐久性、印刷適性に差が出ることがあります。
原紙の種類:

テストライナー:

再生紙を主原料としており、コスト効率が良いが、クラフトライナーに比べて強度は劣る場合があります。

クラフトライナー:

新品の木材パルプから作られ、高い強度と耐久性を持ちます。重い物品の梱包や、耐水性が求められる用途に適しています。

クラフトトップテストライナー:

表面にクラフトライナーを使用し、内層にテストライナーを用いることで、強度とコストのバランスを取ります。外観も良好で、印刷にも適しています。

これらの原紙の特性をフルートの選択と組み合わせることで、お客様の製品に最適な梱包材を提供することができます。原紙の種類、坪量、製紙会社の品質によって、最終的な段ボールの特性が大きく変わるため、これらの要素を総合的に考慮して適切な梱包材を選択することが重要です。

段ボールの選択に際しては、価格だけでなく、製品に最適な保護を提供できるかどうかを考慮することが重要です。フルートのタイプ、原紙の坪量、品質などの技術的な側面を理解し、製品の特性と輸送条件に合わせた適切な選択を行うことが、製品の安全性を保ち、長期的にはコスト削減や顧客満足度の向上につながります。

私たち段ボールメーカーは、お客様の製品に最適な梱包ソリューションを提供するために、これらの要素を総合的に考慮しています。