段ボールの安全率と保管期間による劣化について
「段ボールの強度はどのくらい保たれるのか?」 「長期間保管しても大丈夫?」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。今回は、段ボールの「安全率」や「保管期間による劣化」について、解説します。
1. 段ボールの安全率とは?
安全率(安全係数)とは、段ボールが実際に耐えられる荷重に対して、どれくらいの余裕を持たせて設計されているかを示す指標です。JIS Z 0200では、 荷重の種類や容器の吸湿性 によって異なる安全係数が設定されています。
例えば、
- 外装容器が荷重を負担し、吸湿する可能性がある場合 → 安全係数 3
- 外装容器が著しく吸湿する場合や内容品が流動体の場合 → 安全係数 7
- 内容品および内装容器が荷重を負担し、外装容器は負担を考慮しなくてよい場合 → 安全係数 1
安全係数(JIS Z 0200)
このように、安全係数は 使用環境や物流条件に応じて異なります。
2. 段ボールの保管期間による劣化
段ボールは時間の経過とともに劣化します。特に 湿度 と 温度 は、段ボールの強度に大きな影響を与えます。
A. 保管期間による劣化の仕組み
- 紙の繊維が劣化 → 長期間保管すると、繊維の結合が弱まり圧縮強度が低下。
- 接着糊の劣化 → 糊が乾燥・劣化すると、段ボールの接合部分が弱くなる。
一般的な劣化率の目安
保管期間 | 圧縮強度の低下率 |
---|---|
15日間 | 約17% |
30日間 | 約25% |
60日間 | 約40% |
100日間 | 約55% |
このように、長期間保管するほど段ボールの強度は低下するため、 短期間で使用するのが理想的 です。
3. 湿度による影響
段ボールは 湿度が高い環境 では急速に劣化します。特に 85%以上の湿度 になると、圧縮強度は 約25%低下 し、 90%以上 になると 55%低下 するケースもあります【11】。
湿度と圧縮強度の関係
湿度(%) | 圧縮強度の残存率 |
---|---|
50% | 100% |
65% | 90% |
80% | 75% |
90% | 45% |
98% | 25% |
つまり、湿度の高い倉庫や屋外での長期保管は 避ける のが賢明です。湿気対策として、 乾燥剤の使用や通気性の確保 も重要になります。
4. トライウォールの強化ダンボールを使うメリット
湿度や長期保管による劣化が懸念される環境において、 トライウォールの強化ダンボール には以下のようなメリットがあります。
- 優れた耐圧縮強度
- 一般的な段ボールと比較して 高強度な繊維構造 を持ち、重い荷物や長期間の積載にも耐える。
- 耐湿性能の向上
- 耐水性の高い糊 を使用し、湿度が高い環境でも強度低下が緩やか。
- 含水率が低い状態を維持しやすく、強度の安定性が高い。
- 長期間の保管にも適応
- 繊維が長く密度が高いため、 長期間の保管でも劣化が少ない 。
- 一般段ボールに比べ、 保管期間による圧縮強度の低下が抑えられる 。
- 物流環境での安全性向上
- 高い安全性を確保できる設計 が可能。
- 積載方法に応じた強度計算がしやすく、輸送時の荷崩れリスクを軽減。
このように、 トライウォールの強化ダンボール は、湿気や長期保管が必要な環境でも優れた耐久性を発揮し、安定した輸送・保管を実現します。
5. まとめ:段ボールの劣化を防ぐポイント
- 適切な安全係数を設定 する
- 長期間保管は避ける
- 湿度対策をする
- 積載方法を工夫 する
- 輸送時の固定 をしっかり行う(振動や衝撃による強度低下を防ぐ)。
- トライウォールの強化ダンボールを活用する(高強度・耐湿性・長期間保管に対応)。